黒くなる 我慢百害説/失われた正義説/子孫繁栄説/他

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2002年07月 紀伊國屋ホールにて上演
構成演出■宮川賢
出演■金田遊希、宮川賢、東地宏樹、高田裕司、つん☆つん(椙本滋改め)、いど、九里美保、菅ジュース、他

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ストーリー


K村の出身者は、たった一度でも嘘をつくと体が黒くなり、死んでしまうという。
1945年の終戦直後、K村唯一の産科医となった納冨竹虎が、村で生まれた赤子全てに、
そのように施術したのが原因だ。
人は嘘をつく時、それぞれ固有の反応を示す。ストレスを感じたり興奮したり緊張したり。
竹虎が施したのは感情レベル、認識レベルのストレスが発生すると体全体の色素に変化を来す手術らしいが、
詳細は不明。
加えて、どうしてそのようなことをしたのかの動機についても、未だ明らかにされていない。
竹虎は、87歳で死ぬまでの五五年に渡り、K村で取り上げた赤子全員に、親の承諾なしに施術した。
K村ではそれが当たり前のことであり、誰も疑わずに生きてきた。
そして、村を出た者も含め皆、方便の嘘さえつかずに生きている。
お世辞や追従笑いの類一切の手管を持たず、馬鹿正直に生きるK村出身者は、社会に適合できずに苦労する場合が多く、村に留まる者が多いのが現状だ。
竹虎は、倫理にもとる行為を続けた理由を明かさぬまま墓に入った。その為、マスコミ及び人文科学者たちによって、様々な説が唱えられている。

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我慢百害説↑

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失われた正義説↑

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国際化推奨説↑

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売名行為説↑

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子孫繁栄説↑

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流説↑

口上

法の裁きを受ける嘘もあれば、受けない嘘もあります。賭博と娯楽の垣根と同様、誠意と詐欺は紙一重と思います。
僕が特にそれを感じるのは、やはり結婚詐欺。愛していたかどうかを他人が判断することに理不尽を感じます。
嘘にも好い嘘と悪い嘘があるとは思いますが、本心以外の発言全てを嘘とみなし、それを廃した生活を営もうとした時、人はどうなるのか…。
そのあたりに強い興味を持ちました。
今回の公演は、K村の産科医竹虎が、なぜそこまで嘘を憎み、どうしてそのような手術をしたのかについてあげられる諸説紛々の中から、有力視されているいくつかを順序立てて検証する形で進行する、オムニバス構成のヒューマン・コメディです。(宮川賢)

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