復興おっぱい稽古日誌

稽古順調。公演が終わったばかりでまたすぐ稽古。でも、演出だけなので、なぜかとても気楽。大塚の稽古場で自分が台詞を言わないと、こんなにも気分が楽なのかと痛感する日々。3話オムニバスなので、1話ずつ稽古をする。読み合わせの1日だけが全員揃ってたものの、他は完全なる抜き稽古。


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完全に「均等」に時間配分がされている為に、出来不出来の差がドンドン開く(汗)。台詞が入ってる状態で立ち会う役者が揃う場面はできあがりがとても早く、尚かつ「時間が均等に」ある為に、もっとよくする、という作業が加わる。当たり前だけど、出来てる人を他と足並みを揃える為に・・・特に下に合わせて揃える為に・・・伸びしろを消すことはしない。阿呆らしいというのもあるが、「できあがり」を実感させてしまうと役者はどうしても「芝居を腐らせてしまう」部分があり。これは、どんな役者でも人間なので、どうしても、直前までは課題を与え続けなければならないし、実際、どんだけ稽古をしても、もっとこうすればよかった、とか、こうすればもっとよくなったのに!という後悔は毎回公演の度に痛感する。

こう考えると如何に演出はリバレッジで仕事をしているかがわかる。演劇は
・戯曲
・舞台
・観客
・役者
この四大要素を以て初めて演劇となる。
そして、それ以外の「演出」なんてものは「補助的要素」でしかない。稽古場管理者なのにね。で、役者が持ち寄る「軍資金」が「多ければ多い程」演出が手を加える事によって「どんどんよくなる」。リバレッジってそういうことね。

台詞が入ってなければ出せるダメだしは少ないし、用意してきてくれた芝居が成立していなければ、マイナスをまずは0に持ち上げる苦行のような演出作業から始まるから楽しくない。本日も感じたのは、奈良チャボの楽なこと楽なこと。これ、芝居を見てる人にはあんまりわからないと思うんですけど、この奈良チャボって人は、言ったことを翌日までに必ず直してくる。この「確実性」がとても助かる。打てば響く。そして直ったものを反復によってドンドンブラッシュアップしていく先も見越している。こういう役者は演出家は本当に助かる。僕もドSだけど、ただのドS演出家だと、出来ない役者をただただいじめるようにしごくだけで満足して、作品のデキだとか不出来とか関係ない人もなかにはいるみたいだけど、同じドSでも、直っていかないと、つまり向上していかないと演出していてつまらない。

今回も奈良チャボさんのお陰で、ともすればイライラし通しの稽古が、なんとか「最低限楽しめる」稽古に留まっている。そして、もう一つ奈良チャボさんの凄い所を書いてみると、チャボさんは「どんな共演者でもやる気が減衰することがない」のね。根っからの芝居好きで、台詞を言うのが演技を考えるのが、家で組み立てるのが大好きな人。だからなのかなぁ、いや、僕の手前というのもあるのだろうけど、クソみたいな新人劇団員と稽古場が一緒になっても、同じ場面で共演しなければならなくなっても、嫌そうな顔一つせずに集中していてこちらが申し訳なくなる。ありがたやありがたや。

さて。まだまだチケットは販売中です。
v-mise.com
にてお買い求め下さいませませ。売上全額寄付ですが。

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ズンダブラザーズプロデュース「復興おっぱい」作演出・宮川賢
2012年
6月21日(木)19時開演
6月22日(金)19時開演
6月23日(土)15時開演
6月24日(日)15時開演
料金=前売・当日共2000円(税込)
会場=大塚レ・サマースタジオ(tel.03-3916-2430)
豊島区北大塚3-25-16伊納ビルB1
前売=ビタみせ(v-mise.com)
出演=(登場順)ししほんじ、杏実えいか、東美菜、丸山えり、
片桐俊次、石鳥孝明(W柿原裕人)、堀江慶次郎、セキュリティ木村、
三田詔子、Naomi、奈良チャボ、福田加奈子、風戸蒔、蔵光美穂
問い合わせ=03-3916-2430(ファックス共)ORS
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