本日照明作りwith山梨谷梨

今日は稽古がなく、ORSにて照明作りに勤しむ一日でした。だが、悲劇的な出来事があり、
意外に時間がかかり、とっとと終わりそうで終わらない仕込みとなりました。とほほ。

ランプが切れた

まぁ、最もしょうもないことといえば、誰が悪いワケでもないのだが、仕込んでたらランプが切れたって事です。球切れです。とほほ。200時間から500時間が寿命でランプによるが、そもそも人から譲り受けたものなので、何時間つけてたのか解らないので、いつ切れてもおかしくはない。

そして、パーライトの球切れはレンズごとなので、泣きたくなる。とほほ。フレネルレンズは大好きなFI-6ってのが4灯あるんだけど、電球が猛烈に高騰してる。高い。泣きそう。二ヶ月前に補充したものは7千円ぐらいだったけど、2ヶ月たった今、もはや9000円台になってる。今回買ったのは、1万円以上してしまい、それを複数買って泣きそう。

で、パーライトはどうしたかというと、パーはその切れた電球をはずそうとしてたら座石の部分が壊れたので捨てる事に。そしてパーライトに限って、予備があった。とほほ。予備がないいくつかの1万円以上のレンズを申し込みついでにゼラ枠もゼラも買い増す。

で、照明を吊り直すとなると

吊り直しになると、これまた厄介がある。それは電力計算。スタジオを借りた時は30アンペアだったが、照明を吊るので50アンペアに増やした。それで何度かネット放送などをやっていた時は、ブレーカーが落ちて「ありゃりゃ?」ということがあり、調べてみたら、元は40だった。なんだよ、それ。50Aに増やしたのに、元が40って話が違うじゃんかよー。これだから雑居ビルは(汗)。とブツブツ言いつつ、そっちを50Aにしてもらい(大家負担)、無事に晴れて50A使えるようになった。だが、ご存知の通り、LED照明でなくハロゲンとなると「猛烈に電気を食う」。ギンギラに明るいのが好きなスタジオレンタルの方だとちゃんと計算しないと無理。照明家が来てくれる団体であっても、50A計算しながら使って貰わないとヤバイ事になる。

50Aってことは、赤相、黒相それぞれが50Aということで、上手くやれば、100A使える寸法だ。家でのブレーカーを落とさない方法は最後に書くぜ。そういや前に、「ブレーカーを落とすな2010」とかいうラジオドラマ書いた覚えがある。この赤相のフェーダーと黒相のフェーダーを把握しないと、ブレーカーは落ちる。各シーンごとに計算しないとならない。大抵大丈夫なんだけど、時折「うわっ」という位電気食う照明があるので注意が必要。

以前、ザ・スズナリで、お馬鹿な照明さんが阿呆みたいにフェーダー開けてギンギラにしてたら、電柱ごと破壊してドエライ事になったって話を聞いたことがある。こいつぁドイヒーな例外エピソードだけどね。

パーライトを使えなくなったので、ほぼ玉突きでいくつかの照明を吊り直す、場当たりし直す。光量計算し直す、ゼラ入れ直す。ゼラ枠がないのでまた照明吊り直す、なんてことを繰り返してるとあっという間に時間は過ぎていく。やっぱ芝居を作るのは簡単にはいかないのね。

LEDに移行

LEDはとても電気を使わない優秀なライトです。勿論知ってる。それにより、世界が変わった。経済も変わった。色々知ってる。その恩恵は(芝居以外では)僕も生活で享受してる。それは解ってる。だが、芝居だけはちょっとまだそっちへは行きづらい。

3.11の直後5月に公演があった僕は、照明の故清水さんと話をした。世の中の節電ムードの中に自分は何をしているのだろう?といやになる、と清水さんは言っていた。あの年は被災地以外の人がそれぞれ日常に戻る為に自分の気持ちにどう決着を付けるのか、付けられるのかが問題だった記憶がある。なので清水さんのように照明家は悩みまくった様子。

その時に聞いたは、LEDはまだ使えないんですか?

清水さんは、なんとなくまだまだ曙前だなぁという事を答えてくれていたと思う。そしてその通りだと思ったのが「LEDは輝度は高いけど照度が低い」という話。なるほど。信号のように人が目を向けるものはいいけれど、それに当てられているものを見る演劇にはまだまだだ。

ライブコンサート等で、LEDの光源そのものを見せる場合は色が華やかでいい。しかし、それによって照らされたものを見ると「おや?」となる。これを痛感したのは、杉崎真宏さんが作演出の公演を見に行った時だ。その劇場はORSのように同じく小ぶりなスペースで、照明すべてがLEDだった。見ればすぐに解る。ああ、そういうことか。こうなるのかぁ。こりゃあ、まだまだだなぁ。

それにより、ORSにはまだLEDライトはありません。近々買う予定だけどね(アクセントで)。ハロゲンは本当に好き。色温度3500ケルビンぐらいの明かりをボワッと床に当ててるだけでうっとりする。今回もそういうシーンを作った。さっき、作ってて我慢汁出そうだった。よだれは間違いなく出てた(汗)。

照明の色温度を変更するゼラもあって、すげー便利。まだまだハロゲンが一番いいよ。と痛感する。時折、ORSをレンタルしてくれる団体の方がマチネとソワレの間もずーっと照明付けててゼラ焦がしたりするのは勘弁だけどね(汗)。

そういった事情があって、赤相と黒相の計算をちまちましていく時期は続きそうです。ちなみに今日計ってみたら、一番使ってる時で黒37.5、赤29.0だったので、優秀優秀。あとは弱電なので(音響とかね)まず問題ない。よっしゃ!

ブレーカーを落とさない方法(基礎知識編)

家庭での電力も同じです。30Aで契約していたら、赤相で30、黒相で30、合計60使えます。

大元のブレーカーがドン!と落ちる時もあれば、小さなブレーカーだけが落ちる時があるでしょ? あれには意味があって、それを理解すると落とさないようになるので、覚えておくといいと思うよ。

小ブレーカーは20Aなんです。2LDKのマンションだとしよう。

  • (1)リビングの電気を扱う小ブレーカーが1つ
  • (2)寝室の電気を扱う小ブレーカーが1つ
  • (3)玄関風呂廊下などの電気とコンセントをまとめた小ブレーカーが1つ
  • (4)居間のコンセントを合わせたの小ブレーカーが1つ

だとする。

(2)、(3)、(4)でまるで電気を使っていなくても、
(1)のリビングで25アンペアを使ってしまえば、リビング担当の小ブレーカーは落ちる。大元の大ブレーカーは落ちない。

(1)のリビングで19A使って、
(2)の寝室で19Aを使えば、
それぞれの小ブレーカーは落ちないがトータルで30Aを越えているので、大ブレーカーが落ちる。

こういう仕掛け。30アンペアなんて使ってないよぉ、と思っても、同じ小ブレーカーの管轄の中で(大抵は同じ部屋)20Aを越えたら落ちちゃうのね。ドライヤー使ってる部屋で掃除機かけたら飛ぶんじゃないかな。そんな感じ。

ライブハウスで「ドライヤーを2つ同時に使わないで下さい」って書いてあるのは、そういう事情。

ORSでも、フェチイベントでビニルの中に入って、その中の空気を掃除機で吸い込んで、窒息を楽しむフェチを紹介したいと言われたけど、倫理以前にそもそも、掃除機でバボーッって吸ったらドエライ電力喰うので、無理ーっ!と泣く泣くお断りした記憶があります。

ブレーカーを落とさない方法(コツ編)

ではどうやればブレーカーは落ちないか。引っ越した最初が肝心。小ブレーカーにはそれぞれ「居間」とか「リビング」とか書いてない場合もある。書いてあればいいのだけど、書いてなければ、荷物を配置する前に、まずは、小ブレーカーを一つだけあげてそれ以外の小ブレーカーを下げて(大ブレーカーはあげる)、ランプを付けてみる。ランプじゃなくてもなんでも電化製品なら。通電すれば、そのコンセントはその「小ブレーカー」担当だということが解る。こうやって、どのコンセントとどのコンセントが一緒になっているのか?を理解しておくことが大切。それが解ってれば、小ブレーカーの管轄を分けることが出来、ドライヤーと電子レンジが同時に使える場合も多いのであります。

そして、電化製品を購入したら、どのぐらい電気食うのかを知っておく事。以外と蛍光灯とか喰うからね。ORSでも、借りた当初はもんのすごい数の蛍光灯があって、調べたら(勿論ハロゲンの舞台照明ほどではないけれど)結構喰ってて「うわっ!」と慌てたのでグロー管とって点かなくして使ってたんよね。

ともあれ「小さな声のおともだち」の照明はほぼ出来たのであります。めでたしめでたし。あとは中身だな(えっ?!)、なんちて。22日から25日なので、皆さん、いらしてね★

投稿者: 宮川賢

宮川賢と申します。人は権力を持つとどうして威張り出すのかは未だ理解出来ないす。威張れる立場にあるから威張るのだとは思うけど、それを喜べるのはさもしいよ。

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