金曜日の件。

今日は金曜日です。公演があるだけですが、会社だと「金曜日の件」とタイトルに入れると「また合コンか、コイツ?」とか「あそびの予定か?」と社内メールのチェック対象になるらしく、「金曜日の件」とタイトルに入れないようにしているらしい。スチャラカ会社員の話。


さていよいよあと三日。振り返る意味でも役者について触れておきます。今回パンフレット販売しないので。
★ユキの美優紀ちゃん。なんといっても漫画みたいに可愛い顔と声。これにつきます。大神田のなしお成とともにカリカチュア部門。目の前に存在する「非現実」。こんな人を大塚の「花びら2回転」とかの商店街を毎日通らせていいものなのかどうか、ということで悩んだのも遠い昔。昨日冒頭のシーンで競演してる時にすっかり女優の顔になっていた事に気づいて嬉しかった。
★奈良チャボ。今回は楽勝かなと思いきや、意外に難儀していたのが印象的。全体を見ていないようで見ている、見ているようで見ていない頼りがいのある頼りなさも今回パーフェクト。いやいやホントに。ベテランは頼りがいがありすぎてもよくないのでね。若い役者から憧れられちゃったりしちゃうから。それって悲しいじゃない。
★史子役の水野あきえさん。今回は、座組の雰囲気作りなどの一切を考えずにキャスティングをしてみた大冒険。つまり、イメージキャスティング100%。その上で、この人も狙ったように役に重なった人。不器用でひたむきで真面目で未開拓。色々な意味で史子に重なる。なんといっても抜けるような白い肌の美しさ。ここに和の美が集約されている。
★風戸蒔さん。長くて細い腕。女優は腕だよ、二の腕だね。顔に近い四肢こそが舞台女優には大事だと思う。気安さと現場を理解してるので色々頼もしいひとです。
★寿能ミナさん。騙していた事が発覚してもシャーマンから愛されている魔性の女。シャーマンは毎年日本に行くことになる。彼女に逢いに……。美女なのにその気安さが故に、深窓の佳人とはかけ離れた親近感に繋がってる庶民的な魅力。それが横浜小百合の役をお願いした一番の理由でございます。ユキ、史子、横浜、この三人の女性の重なり合う部分を0にする事がキャスティングの特命だったが、結果はご満悦でございます。
★大平祐樹くん。今回は、稽古中に誕生日を迎える人が多かった。木澤さん、寿能さん、片桐くん、そして大平くんも。大平くんの訥弁で無骨なキャラクターは僕が飛びついた人。この人は実は一番最初に出演が決まっていたといっていい。エコノミックアニマル、神風特攻隊。それらを海外の作家がイメージするにあたり、こういう人こそが侍従に並んでいるべきだろうと。誕生日ケーキの「大平さんおめでとう」と書かれたチョコレート板をベチャッと床に落としてしまう所まで完璧フィッティングでした。んもー(^_^;)
というワケで、またまた今回も素敵な出会いでありました。芝居をやると不思議な絆が出来るのよね。二十年前に競演した役者も放送局でバッタリ会っても旧友の再会のようになる。「あの山を一緒に越えた」仲間のような。
芝居って面白いよ。
あとは身内なんで割愛っ。チケット全席売り切れですが、キャンセル待ちのお客様は、当日劇場にお電話下さい。03-3583-9821(アトリエフォンテーヌ)

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