もうすぐ稽古開始であります。といっても今月下旬だけど。台本を書き進めている所でございます。タイトルと内容が決まるのが遅かったので、チラシ印刷であったり公演そのものの企画書ができあがるのが遅くて色々と多方面に迷惑をおかけしてしまってすいませんです。なんだか余裕ぶっこいてて気づくと亀に抜かれているウサギような感じでございました。去年のこの時期は、毎朝のラジオ番組があったので4:30起床で車の中で夏だろうがヒーター最高温にして出勤しつつ喉を立ち上げるという(声を使わない)発声練習をして放送局に向かい、9:00には仕事を終えて大塚に向かってそこで台本を書くというとても健全なるルーチンがありました。
しかし、↓
今年は、そのラジオがないので、時間に余裕がある筈なのに、どうしてかなかなか捗らず、夏の暑さに負けて集中力の低い8月を過ごし気づくとどんどん時間が過ぎていきましたね。時間は相対的なものだと思います。濃密に凄そうと思えばいくらでも濃密に出来る代わりにぼーっと適当に過ごせば本当に無駄にいたずらに時は過ぎていく。家に帰ったとする。まずテレビを点ける、なんて人は危険。テレビって麻薬のように「チャンネル変えづらい」ように出来てるからスイッチを切りづらい。うちの家族を見ていてもよくわかるけど、一度見始めてしまったら、そのままずーっと見てる。恐ろしい箱ですな。意識して「今日はあの番組は観るけどそれが終わったらスイッチを消して部屋の片付けをしよう」等とセイブしないととんでもない時の浪費です。
ことはテレビだけに限りません。なーんとなく生きているとどんどん日々は過ぎていきます。制作プロデューサーのように「スケジュール」が切れるようになると人生はもう少し充実すると思います。一週間後までにはこうなっていよう。一ヶ月後までにはこうなっていよう。だから今日はこれを必ずやろう。明日はこれをやろう。でも、お店が開いてる時じゃないと出来ないから、これは来週の何曜日にやって、今週中にこれをすまそう。となるとあれは出来ないから、あれは断ろう。頭の中でTo Do Listを作って案件全てを並べればいい。
僕はすべきことと優先順位とスケジュールをいつも考えています。例えば今なら一秒でも早く台本を書かねばならない。そのモードに入る前にすべきことをなんとか片付けられる範囲で片付けたのがこの夏。20年ぶりの友人との会食。要らないものの処分。番組に感じてるストレスを軽減させる為のスタッフとの飲み会でガス抜き。劇団やORSなどのホームページの移管。無駄な電話回線の解約。ケーブルテレビを解約。地デジアンテナ設置。家庭内LANの有線工事とNASセッティングとDLNA配備。秋公演キャスティングとマネジャーさんと折衝。庭の垣根の剪定。通常業務の他にいくつか芝居やっていないときにやらなきゃ!と思っていた事を済ませました。
それでもこぼれた事がいくつかあって、それは秋公演が終わってから12月にならないと出来ないなぁとは思いつつ、でも冬にやろうと考えています。庭の掃除は来年の夏までお預けにしました。放置していることも「今は出来ないのだから仕方ないのだ」と思えれば、無理をしないし気持ちの整理がつくし、体を壊さない。これもやらなきゃあれもやらなきゃ、ばかりを繰り返していた若い頃は風邪ばかり引いていたけど、大人になって潔くなって諦めるのが早くなった。結果その方が精神的にはいい。
例えば、人とのつきあいでも諦めることが出来るとイライラしないですむ。例えばタレントも、苦労人ならもう少し気遣える人になりやがれよ、と思うけど、蝶よ花よとチヤホヤされ続けてきたお馬鹿なら、人を気遣えないのも仕方ないから、そういう育ちの人に怒っても仕方ない。ああ、お馬鹿なんだから仕方ないよね。とね。認めた相手なら逆に怒りますけど。自分と同じ考えの人はいないし、それを求めるのは違うし、相手の物差しで文句を言われても、「そうですね、すんません」と言わせておくだけで議論をしなくなった。時間とテンションがもったいないからね。これ、かなりクールで失礼とも言えるけど、一番自分にはいい。血圧にもいいだろう。決して高血圧でも低血圧でもないけれど。韓国や中国で日本のことを嫌っている人がいる。非道いことを言う人もいるけれど、それは国が憎め!と教育してきたのだから仕方ない。ある意味洗脳されている人たち全員を嫌ったり出来ないのでありますよ。いや、これがまとめじゃなくってよ。ただ、そういうのも含めて、イライラしないですむ気持ちの持ちようというあまり得たくなかったテクを完全に身につけてしまったなぁ、と思うのですよ。
いやあ、あいつはああいう奴だから仕方ないよ、とかあの会社はいつもああだから仕方ないよ、とかね。大人になるってことはとてもだらしないことですね。ていたらくを許す許容を持つということです。それを、ああ、俺も大人になってよかったなぁと思った部分もあったのですが、「はだしのゲン」では、ゲンが「しょーがない、しょーがないって言うなよ! しょうがないって言う人にだけは絶対になっちゃだめだよっ!」と口角泡を飛ばすシーンがあって、改めて「うーん」と唸っちゃったのよね。そうなんだよねぇ。