1995年5月 東京芸術劇場(小ホール1)にて上演
構成演出■宮川賢
出演■武田義晴、金田智行、ビーグル大塚、宮川賢、山崎カカト、他
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宮川、ビーグル、金田 | 舞台となったオレンジ卸売商 |
「東京タワーには行きたがらない」の登場人物(金田智行扮する)鶴見は、云うなれば映画「真夜中のカーボーイ」のジョン・ヴォイド。
シティGALをゲットしようと上京したが、東京人の知り合いができずに、渋谷新宿などの繁華街は数えるほどしか行ったことがない。
だが、アルバイト先に訪れた新参者の「上京者」に先輩風を吹かす。以下は全て「鶴見」が思う上京した者の為の東京生活の心得。
……東京タワーには行きたがらない
……ハチ公前では待ち合わせしない
……銀座はドレスアップして臨むべし
……きょろきょろしない
鶴見は地方出身というだけで無意味に負い目を感じ、恋愛に関しても東京では非常に臆病だ。そこで机上の論理ばかりが先にたつ。
ここでは、その偏向した鶴見による『恋愛分析』をいくつか紹介しよう。
- 遠距離恋愛における愛情度逓減の法則
- 鶴見は地方出身ということもあり、上京したての頃は遠距離恋愛をしたのだろう。このような法則を見つけたらしい。
- 遠距離恋愛における愛情減少度(1年)
△ ( 距離 × 1/2 ) %
これは、遠距離恋愛は、距離が遠ければ遠いほど、時間の経過によって薄れていく愛情は大きいものとなる、という法則。
具体的な数値は次の通り。 - 距離の違いによる愛情減少(1年)
km 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 % -50 -45 -40 -35 -30 -25 -20 -15 -10 -5 0 愛情度を数値で表した場合、平均で距離の数値の半分が一年間で減少する。
100キロ離れているカップルの愛情度が一年で50%減少するのに比べ、二人の距離がゼロメートルの場合は全く減らない。
しかし、10キロでも離れていると一年で5%は減ってしまう。これは距離に隔てられた為、限られた逢瀬を強いられることに起因する。(鶴見談)
- 遠距離恋愛における愛情減少度(1年)
鶴見はいつまでたっても東京のシティGALをゲットできない為に、頭でいつも分析している。ついには女性のタイプとそのジャンル分け、あげくは男の魅力分析との関係性をも、解き明かした!
- 女のランク
女性に甲乙をつけた場合、鶴見によると、以下のようになるらしい。
しかも「超美人」の具体例には「モデル、スチュワーデス、柏原芳恵、他」とある。 - 男の魅力
男の魅力は鶴見によると6大要素で形成されるらしい。ちなみに、グラフは鶴見が自己分析した結果らしい。
ルックス、セックス技術、性格は最高レベルの男である(らしい)が、収入と出身地(都会じゃないというだけで)、学歴が人より劣ると自己評価している。そして、このパラメータに、「女のレベル」を重ね合わせてその男がゲットできる女のランクが決まるらしい。
鶴見は自己分析によると、「ルックス」など最高値をマークしている要素により、
最も外側の「超美人」をもゲットできる男らしい。 - 女の種類
さらに、次の図を重ね合わせることで、ゲットできる女性のレベル種類が決定するらしい。
鶴見自身の「男の魅力」グラフに重ねてみたのが以下。鶴見は、「普通の女」の「超美人」と「尻軽バカ女」の「超美人」まではゲットできる男ということらしい。が、何しろ「お嬢様」の類は、まるで手が出せないようだ。
(鶴見の偏見によると)お嬢様の超美人は、最終的な出身地にこだわるだろうし、ルックス重視と思われる尻軽バカ女も必要以上のハイレベルになると普通の女性に譲るようだ。
そして、全ての魅力パラメータが0に近い男性はご覧のように「尻軽バカ女」の「ブス」しか望みはないということのようです(笑)。
これは、あくまで「東京タワーには行きたがらない」の登場人物『鶴見』の偏った女性観・恋愛観であり、決して一般的に当てはまるものとは思えません。ですが、もし頷けるものを感じた方がいらっしゃったら、ご自分で「魅力グラフ」を作成して、「女性のランク・種類」分布図に重ね合わせてみてください(笑)。