アトリエならではを考えると、というよりも、
小ぶりな空間ならでは、を考えると、それは興味深いもので、
楽しい部分もあります。
中劇場でやるにしても、まぁ仕方ないけど、「上に埋まらない」のが舞台ですよね。すんげー身長が大きい人がいるとか、トランポリン使って高く跳ね上がるとか、舞台を立体的にくみ上げるとかそういったことをして無理矢理空間を埋めるようにしていくとすると、
このアニメ文化の刺激的な作品群の横行や、SFXを駆使する映画の迫力やまして3D映画なんてものの登場を考えると、それはそれは演劇ってのは大人しい表現形態でしかないわけで。
だから、なのかなんなのか、プロジェクトマッピングをガンガンやって、舞台装置をほとんど使わないかわりにスクリーンのように投影出来る装置を用意してそこに映像を流すだけっていうような舞台で8000円入場料とかの芝居も見たことがある。
ですが、そういうのはTDLとかテーマパークに敵わないし、無理に演劇でやる必要がないワケで、なんてことを考えはじめてしまうワケです。ディズニーシーの「水と炎の恋愛」という舞台(というかアトラクション?)にははからずも感動してしまったし、小さな話だけど後楽園の噴水ダンスなんてものにもおおっ!と驚いた覚えがある。
なので、テレビドラマの脚本家になりたいような人が修行の場のように演劇やっている風潮が(僕の記憶だと「静かな演劇」ブーム後に「物語を作る必要がない」という身勝手なそれこそ静かな演劇の中心にいたものを理解せずに広まった雰囲気が)どうも苦手ではあります。
中劇場でやるでもなくアトリエで、となるとやはりそこでやる意味を考えるし、そこでやった方がいい演目を考える。
これまでの活動でいうと、ザ・ストーカーズはお金がない時だったから、舞台装置を安くあげるために「対面舞台」にしてパネル代を端折ったなんていうネガティブ要素による形態決定もあったけど、「誘蛾灯」が円形舞台だったのは(青山円形劇場でした)、お客さんが感じる「円形ならではの緊張感」を反映する物語作りに留意したし、再演「ブラザー・リコ」はアトリエ・フォンテーヌが二階建てなので決めた演目。
アトリエは狭いから、細かい事も出来るし迫力も出しやすい(と思う)。役者は大きい劇場よりも格段に緊張するけどね。まぁそれはお客様も一緒ですね。恐縮です。
今回もそうですけど、変なことが出来て嬉しいです。商業演劇ではないので、例えばタレントお招きしてお金儲けするような公演とか大した興味はないですし、そういう事は商売好きな人がやればいい。だいたい、商売や金儲けを考えるならば劇団という形態事態が無意味でありプロデュース公演にとっとと切り替えてしまった方が格段にいい。
なんてこうして書く事で、いいんだよな、これで、なんて自戒してたりするのであります。
木曜日と金曜日、まだチケットありますので、良かったらお越し下さい。お待ちしております!