ようやくです。これを朗報とみるか、ここまでがしんどかったと見るかは受け止め方次第。
9/19から(いきなり)←機を見て敏
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は、11日、感染拡大防止で求めているイベント開催制限を19日から緩める事や、観光支援策「Go Toトラベル」の対象に東京都民と都内への旅行を10月1日から加えるとする政府の方針を「概ね了承」した。
一定の感染対策を取れば、演劇場や映画館内を満席にすることも容認した。
ようやくですね。
9/19から11月末までこう変わる
これまで、屋内イベントは50%以内の収容率で、人数上限が5000人まで、というもの(あくまで目安、規制ではない)だったが、
50%で、採算とれる訳がなく、あまり「人は公演を打たなくなった」。やったとしても人が来てくれない。それをただのファン集めなのであれば、ネットでやればいい。
それがもうすぐこう変わる。
観客が歓声・声援を発しないもの(クラシックコンサート、演劇、歌舞伎、展示会、遊園地、美術館、映画館など)は、収容率100%以内! 但し、定員10000人以下の会場では5000人、定員10000人以上の会場では収容人数の50%。
また、こうも。
参加者の歓声・声援が想定されるもの(スポーツイベント、ロック・ポップスのコンサートなど)は、収容率50%以内。但し以降は上記と同じ。
おおお。なかなかいい、というか、ようやく演劇とスポーツイベントをちゃんと区別してくれるようになった、と今更ながら悲しい。
そもそも、Jリーグのサッカーの試合と小劇場での演劇を同じ括りで考えるというのがナンセンスであり、以下に「日本の行政は文化に関すて立ち後れている」かを示している。そんな愚痴はさておき、ともあれ良かったです。
できるのか?
そうなると、ようやく演劇ができる環境が整いました。そもそも、ミュージカルも含めて、マイクをつけて台詞を「スピーカ」から出すものを演劇と認めたくない僕は、演劇の「個性」について考えた時期があった。
ということは、発声練習をちゃんと訓練した役者のみが舞台に立つ権利を有する事になり、そうすると、魅力的だが声が小さい役者は日の目を見ない事になる。劇団員を多く抱えた時期にそのジレンマに陥った。顔の表情や目の動き、そういった細かい機微を表現するのが上手な女優が何人もいて、「これはサンモールじゃあ伝わらないなぁ」と悲しく感じていた。
その人に「君は映像演技の世界に行きなさい」と言ってしまえばそれまでなのだけれど、役者は役者で「舞台がいい」という人も多いし、その気持ちは分かる。
映像演技を志すということは「スターになる」「有名人になる」という心根の前提が必要で「演技が好き」という抜本的な価値観以外のものを求められてしまう。そしてそれに応えようというインテンシティがなければ、マネジャーに迷惑をかけるので売ってもらえないし、何しろ向かない。
では、向かない役者が役者として失格かというとそうではない。舞台は「目の前にいる」のだから、どんな人間でも役者たりえる。それが演劇の魅力。とりわけ俳優の持つ欠点を隠しつつ魅力を炸裂させる事を中心に考えてきた僕としては、そう思う。
なので、碧戸結香さんのような女優と出会った時は、アトリエ公演の魅力を痛感したものです。中劇場とかになると、目玉が大きくて顔が大きくて骨格がしっかりしてる女優が魅力的に見えがち。あと声が通る人ね。鳳蘭みたいなね(笑)。あんな怪獣のような美人は目の前にいたら「怖い」と思うよ。目玉が大きすぎて、美しすぎて、派手過ぎて。
劇団にも沢山いた。美人なのに舞台で映えない人。もちろん、その彼女の魅力を引き出して舞台に並べるのが仕事ではあったけど、地団駄踏んだ事は何度かある。
閑話休題。
そもそも、できるのか?やっていいのか? やってお客様は来てくれるのか?
という問題はどうしてもある。そもそも、元より必要不可欠ではなかったものが演劇だ。地方にはほとんど見る習慣がない。テレビが娯楽の王様のようです。
でも、やっていかなければ、お客様は劇場に戻ってこないだろうし、ORSだと「あそこ狭いからなぁ」と二の足を踏む人もいるだろうけれど、だから味わえるものがある。
まずはやってみよう。
歓声・声援
歌舞伎は歓声・声援がない分野に入れられているけれど、かけ声を出す「大向こう」は「観客」として認識してないってことですね。「あれはキャストですね、うん」そういう事なのだろう。
お笑いライブには触れない
あえて、お笑いライブには触れないでおこう。「笑わせてしまう」と感染してしまうかもしれないから「いまひとつのネタばかりでやりなさい」そんなことないはずだ。
昭和の終わりの頃、天皇の容態を考慮して、「のんきなテレビ番組」を放送できない時期があった。笑っていいとも!も冒頭の歌と踊りがなかった。井上陽水の「おげんきですかぁ」という台詞のあるCMのその台詞はカットされた。
テレビ内でも「馬鹿騒ぎができなかった」。あれは、バラエティを作る人間にとって「地獄」だった。
でも、今、まさにそれをお笑いライブでは考えなければならないのだろうか? 劇場主は「ああ、こんなにうけてる!笑いすぎだよお客さん、これじゃあ感染しちゃうよぉおお」とビクビクするような事になるのだろうか?