抜きの稽古。

抜きの稽古。といっても、別に、何かを抜く練習ではなく。
ましてカタカナの抜く稽古でもなく。
数人だけでその人たちのシーンの稽古をすることをそういうのでありますが、今回の芝居は実はここ十年ではまるでなかった芝居の構造なので抜きの稽古が可能であります。
十年どころか、もしかしたら「初めて」こういう構造の芝居を書いているかもしれません。
具体的にどういうことかというと(って、書いてていいのかどうかも判りませんが)、数人だけのシーンのつづれ織りです。大人数が出て少しずつ登場人物が変わって回想シーンや空想シーンが挿話として出入りし、時制を多少飛びつつ、となると、抜きの稽古が出来ず、代役でやるのも二度手間になるパターンが多く、なかなか出来ずにいたのがこれまでの劇団での公演ですが、
今回は初めてのことなので、というかあえてやってみようと故意なのですが、不思議な感覚です。頭の中での整理もしやすいし、みんなも出番とかを覚えやすいのではないだろうか。まぁ、こういう役者陣でないと出来ない構成です。つまり、1シーンに出ている人数が少ない為に、「責任をとれる役者」でないと無理、という。


しかも冒険はそれだけではなく。内に秘めたるものが沢山あります。沢山というか、まぁあえて書くようなことでもないから伏せるだけで、大した事じゃないんですけどね。役者には伝えてますけれど。
なんだろ。作品を作るということとは別に、「劇団の今」どのような意味を持つのか、持たせるのか、次へどうつなげるのか等を考えながら作りますが、今作は地味なことだけど、それなりに考えているということです。それは新人の登用もそうですしね。
劇団は(今の所辞める予定はないけれど)旗揚げから解散までが一つの作品のような所もあり。続けて観て貰いたいということでいうと、色々考えるべきこともあり。とまぁ、そんな感じです。
てなことで、今日の一曲。

二階堂和美「女はつらいよ」
なんという染み入る幸せ。アゲアゲにする!というのとは大きく違うが多幸感。素敵ですよねぇ。大好きです。

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