読み合わせしてみました。

「ヒポクリティカル・アイランド」の読み合わせをしてみました。

今回は、台本を書くのを急いでいます。いつもはモタモタ書いてて、一ヶ月前に完成させて、というのがパターンですが、音楽家の方がお忙しいのもあるが、覚えればできあがり、という芝居ではないので、意識していることがこれまでの公演と全く違います。勿論、見れば、それは「舞台で行われている」し、「劇場」だし、板に乗るのは「役者」だし、お客様からしてみたら、見た目の差異はないかもしれませんが、強い冒険が今回はあって。

その為に早く書いて早く台詞を覚えて貰って、早く島の人になってもらいたいのであります。非現実的なものにリアリティを持たせる。そんな魔法は舞台役者しか出来ないですからね。カットやCGでなんとかしてくれるってこともないし、その場にいるワケだし。

36人が出演するんです。でも、役はほとんどの人が「一つ」なんです。この辺も前回とはまるで違う作り。8000m峰14座登頂を日本人で初めて世界でも29番目に今年の春達成したプロ登山かの竹内洋岳さんとお話をさせて頂く機会がありましたが、「登るのは楽しいんです。挑戦が楽しいんです」の言葉が印象的。高尾山だって楽しいですよぉ。日本の山は日本にしかない優しさと美しさがありますから! とこれまた本当に山がお好きなのねぇと感動することしきり。

同様に、芝居は作り方は解ってきましたし、プロットの段階で「そこを掘れば温泉が出る」かの判断も確実性をもってできるようになった。だけど、やっぱり、では自分が熟練した範囲で出来ることを繰り返していればそれで満足かというとそうではなく、挑戦したくて、今回もやってみました。最近は、劇作としての挑戦が多い。

まず、毎年大きな挑戦をひとつはやってみようと僕は常々思っています。演劇の時もあるし、他の仕事の時もある。でも、ここ10年はほとんど演劇のこと。慢心も厭だし、停滞も厭。自分が満足する進化をしていたいですからね。

ここで書けることではないけど、お芝居の中身で挑戦と冒険をやってみているんです。いい年齢になって面白いと自分を客観的に感じています。「へぇ、自分もこういうことを考えるようになるんだなあ」って。

まぁ、物語=ストーリーを作るってなると、
話をこじれさせて、それを修繕する。
単純に言うとこれだけなんよね。どうやれば脚本書けますか?とか言われることが多いけど、ホント、たったこれだけ。問題はそれをどう見せるかで個性を出す。
一本調子でダーッとひた走るテンポで見せる単純明快なものにするか、
複数のサブストーリーを絡めて人間模様を描くのか、
伏線なしのトタン落ちの出来事を立て続けて煙に巻くのか、とかね。

ハッピィに終わらせるのか、アメリカン・ニュー・シネマみたいにするのか。終わり方も数える程しかパターンはない。

そんな中、まだまだやってみたいことがあるってことは、僕はとても幸せだなぁ、と今、感じています。

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