今朝、節電の効果に手応えを感じる。

NHKの落ち着き払った災害報道は天晴れだ。見事という他ない。情報の濃さや分析、話を訊く識者も含め、完璧だと感心しているここ6日間。

まず、ともすれば「この危機的状況にどうして呑気な」と感じさせる程、「悠長に喋る」それは堂々としていて、まるで慌てていないので視聴者は落ち着けるし、何しろ「不必要に不安を助長させない」。

民放のテレビもラジオも先週末、つまり地震のあった3/11の翌日土曜日とその次の日日曜日の番組放送は、特番を頑張って編成してもそれは、たまたま空いていたアナウンサーとブッキング出来たタレントをフロントに座らせて不謹慎との評を恐れて「不必要に神妙な雰囲気」を醸成している。

それは国民をとてもイライラさせているし、今も、そのイライラは続いていて、不安な気分をずーっとひきづっている。繰り返す余震がどこまで続くのかどこまで南下するのか等、材料に事欠かないにしても、テレビが、ラジオが「必要以上に不安にさせている」部分は大きいと僕は思う。

だからこそ、僕は、月曜日のラジオ日本の「おはよう!スプーン」からアゲアゲで行くことにした。それなりにね。勿論叱られたらそれまでだなぁ、とは思うけど、サラリーマンの局の社員は会社の「減点法」で包まれているから「いい番組を作ろうとした」よりも「下手を打った」ことで罰せられる事を嫌うが、僕はフリーランスなので、それほど恐れるモノもないし、何しろ「外部の出演者」というだけで、それなりに刺激になることをしないとという責任感も多少ある。

問題になったら僕はクビを切られていただろうし、好評価なら褒められる。後者だったようで、褒められた。フリーなんてそんなものだからね。

今朝、ファックスが被災地から届いたんだ。老人の方。多分、東北放送で番組をやっているからだと思う。喜んでくれていて感動した。放送終わってから一人になって感極まってしまった。

電気が通っていなかったのですが、今日電気が来たので、ファックスを送ります、と。
宮川さんが「ヘッドラインニュースなんかよりも、計画停電の事、電車情報こそ先に電波に乗せるべきだろう」と言ってくれていたのがとても嬉しかったです。

と書かれてて。これ、簡単に説明すると。僕が喋っている朝の番組AM1422ラジオ日本「宮川賢のおはよう!スプーン」は、その日最初の生放送なのね。なのでプロデューサーがニュース畑の人なこともあり「ヘッドラインニュース」を読み上げる所から番組が始まる。そしてタイトルコールしてフリートークして(地震後の月曜からは)一曲かける所で「電車情報」を局アナの方に読み上げて貰ってようやくCMへ行く。という流れが冒頭6:30から。

その電車情報が番組開始15分経つまで出ないのはどうなのだ?と、ふと気づいた生放送中に問題提起して吠えてしまたのね。だって、

電車を間引く「計画停電」により人々の生活は大きく変わる。
前の晩に決まって早朝から決行という馬鹿げたやり口だった為に、寝てしらない会社員も沢山いるだろう。スマートフォンを持っている人ならともかく、起きてパソコンを立ち上げてネットでチェックしてから会社に出かけるなんて面倒くさい。

ラジオで早く出せば、早く人は知れる。

僕に置き換えれば火曜日は西武池袋線の練馬高野台から池袋間しか通っていなかった為に、早くに放送すればそれを聞いてくれたタクシー運ちゃんが「練馬高野台」に向かって、それより西に向かう人の足になってあげられる。でも、放送で紹介するのが遅ければ、それにより練馬高野台の早朝にタクシー待ちの行列が出来てしまう。だからこそ、

松沢が不出馬になった、なんてことよりも、もっと生活密着の電車情報を即座に放送すべき、と言ったのね。
その仙台の方は、被災地だから、東京の電車情報なんか関係ないのに、それを嬉しかった、とファックスをくれたのです。それが嬉しくて嬉しくて。

考えてみて欲しいのね。

ああ、災害時だからラジコがエリア解放になったから、被災地の人にも聞けるのね?

てことじゃないのよ。ラジオ日本は、ラジコ入ってないから。

しかも、ラジオ日本って出力50キロですからね。普通に聞いてても、都内では聞けない場所のほうが多いでしょう。それを、仙台で超のつく雑音混じりで聞いていてくれたのかと思うと嬉しくて。

不安にさせるテレビの放送による洗脳(意味不明)に嫌気がさして、元気になりたくて聞いてくれたのかなぁ、と勝手に想像するととりわけ嬉しい(^_^;)。ヘラヘラ生きてきて良かったと思う。

今週土曜日のTBSのパカパカ行進曲も特番でなくなりそうだ。下手にやって中途半端に笑いを狙うよりも「爆笑」を許されて再開するほうがいいかもしれない。特にTBSは堅い番組が大半なので、比較されてとりわけ不謹慎に映る可能性もある。正直2週続けて休みは残念だけど、でも、何がやりたいのか解らない番組よりは「狙い」も「目的」もハッキリしてるコンセプチュアルな番組であることが再確認できる「特別編成」なので自分の中では良しとする。声を聞きたい人は是非ラジオ日本の月曜日~木曜日6:30から「おはよう!スプーン」を。まだ爆笑を狙いに行けないもどかしさはあるけど、民放テレビの神妙トーンとはうって変わって「みんなを陽気にしよう」とヘラヘラしてます。

NHKは本当に立派だ。昨夜もその前の日の夜22時半すぎの地震、どちらもNHKは画面上部のテロップには出るが、出演者が慌てて「あ、ただ今地震があった模様です」と紹介しない。つまり出演者を慌てさせると国民がビックラこくことを知っていて、あえて「時間差」で生放送の出演者に遅れて地震情報をさせているんだ。最初は「録画か?」と思ったがそうではなかった。完全に確信犯の「ネムたい反応」を演出されている。人を安心させようという意思の表れだ。

僕は月曜日おは!スプの作家の岡田さんが不謹慎だから爆笑を狙わずに「コーナーはやるけど」わざと「滑ってる」台本を書いている献身に感動した。プロフェッショナルロストポイント。ものつくりのプロにとって屈辱的だ。それと同じようにNHKは地震があっても「あえてわざとゆっくりもったり」紹介してる。その「堂々」に安心する人は大勢いる。僕もその一人だ。

NHKがこれ以上国民を不安にさせないようにダウナーを止めてくれているのなら、それを僕や僕のような笑わせる事で人に元気をもたらそうとするタイプのラジオパーソナリティは(少ないけど)、折角NHKが止めてくれたものをなんとか「アゲアゲ」にアッパーにしていかなきゃ、と。そう思います。

でも。

被災地からのファクス紹介した時に「ダメだよ、この番組は今はメールだけでファックスは募集していないんだよ。電気代がかかるから、被災地に電気がいかなくなっちゃうでしょう」と叱るのを忘れた。あ。被災地からだからいーんだ。てか、僕らが頑張ったからそこに電気が通ったのかも、と思うと、それはそれでちょびっと嬉しい。

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